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《仮定法-19》

if 以外の接続詞: 仮定法に使えるものと使えないもの。

(1) unless : この語の「しない限り」という意味に注意を要する。 

スタンダード英語語源辞典 (大修館) によると 「unless は on (a) less condition (that) のように用いられていた。 on less の on が UN- に同化して一語 unless になった」 とある。 条件が絞られるわけだ。

以下は ALEX p.394 の記述である。

If you don’t change your mind, I won’t be able to help you.
Unless you change your mind, I won't be able to help you.

しかし、 unless は if...not よりも強い意味をもち、 最終提案や最後通牒をする場合などにはより好んで使われる場合が多い。

Unless the management improve their offer, there'll be a strike. 
  (引用ここまで)                

if...not と unless とは単語が違うから異なる部分があるのだ

仮定法での文例を[続]英誤診の文例で見てみる。(p.150~p.151)

unless は仮定的、反事実的な状況を導入するときには使えない。仮定的、反事実的な状況を導入するときには if~not を用いなければならない。

▲Unless he was here, we could have a good time.
(☞If he wasn't here)
[彼がここにいなければ、 我々は楽しく過ごせるのだが]

▲Unless he had helped me, I would have failed.
(☞If he hadn't)
[彼が私を助けてくれなかったなら、 私は失敗していただろう]

▲I would have been drowned unless you had rescued me.
(☞if you hadn't)
[あなたが私を助けてくれていなかったら、 私は溺れていたであろう]

▲印の文は unless = if not と「ドブねずみ英語」で潰された生徒の作文である。

単に、unlessを使って仮定法の文を書き始めてはいけないというだけのこと。

ただし、同所に次の記述がある。

仮定的もしくは反事実的状況がすでにはっきり示されている場合には、unless は仮定法と共に使うことができる。

◎A : What would you do if he offered you a job?
B : I'd take it, unless it was dangerous.
[A : 彼があなたに仕事を提供したらどうしますか。
    B : 危険でなければそれをするよ]

◎A : Do you like those?
B : I wouldn't eat them unless I liked them.
[A : その食べ物好きですか。
    B : 好きでなければ食べません]
                        
unless節の前が仮定法の文なら、unless節内にも仮定法が使えるということ。

これに「unlessの節は常に主節のあとにおかれ、主節は否定文でなければならない」
との注釈が付いている。

別の文例を引用する。


We wouldn't have gone to the party unless they had invited us
  personally.
(もし個人的に招待されていない限り、 パーティーには行かなかっ
ただろう)                    [ジーニアス]




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《仮定法-18》

if の意味: 日本語の 「もし(~なら)」と if とは同一ではない。

ALEX の p.383 に if の定義がしてある。

条件 : if... (then...)

 条件とは、 ある事が起こり得る前に満たされなければならない行為・行動をいう。
「もし~であるならば」 という意味の if 節の後に、 then が続く場合もある。 then が述べられていない場合でも、 その意味は言外に含まれている。

よって、 次のような構造が考えられる。

If X happens, (then) Y follows.

If the rain stops, we'll be able to go for a walk. (引用ここまで)

if という単語は 「X の項が成立したら、 Y の項が成立する」 という、 大袈裟に言えば、 数学的な発言が成立するときに使う単語だ。

to tell the truth を 「本当のことを言えば」 と訳すと日本語としては通りが良いが、 これは日本語訳の問題であって、 この 「~すれば」 は英語の if ではない。

[続]英誤診 p.245 には次のような記述がある。

◎To tell the truth, she is ugly.
 [実を言うと、 彼女は醜い]

To tell the truth はIf I tell the truth と同じ意味だと説明されている。 これは明らかに無意味である。 彼女の醜さは私がどう言おうとそれによって左右されるわけではないからだ。 (引用ここまで)


私が 1+1=2 といった真実を述べると、 その場で彼女の顔が醜く変貌したりはしない、 という説明だ。

「実を言うと」 という日本語には注意。 訳すと分かったような気になるが、慣用句の訳には特に注意を要する。


片方条件と両方条件:

普通 if not = unless とされるが意味領域が違う。

if not: (1) 「もし~でないならば」 と結果に対する条件が複数
(2) 「~でない限りは」 と結果に対する条件が単一
unless: (2) の 「~でない限りは」 と同種。閉鎖的単一条件

I'll be back unless there's a plane strike.
(または...if there's not ...)
(飛行機のストライキがない限り明日帰ります)

I'll be quite glad if she doen't come this evening.
(もし彼女が今晩来なければ、 とてもうれしいのだが)
[unless は使えない]
(以上の文例 PEU p.604 より)

初めの文例では「ストライキがないこと」が帰宅するための単一条件。
後の文例で、unlessが使えないのは、この人が嬉しくなる条件は他にもあるからである。

更にもう1つ、同所から引用する。

I’ll be surprised if he doesn’t have an accident.
(彼がもし事故に遭わなければ、私は驚くだろう)

ここでも、この人が驚く条件は他にもあるからunlessは使えない。

尚、ジーニアスunlessの項の語法 (1)(2)をも参照のこと。

上の文例にからめた問題が以前にセンター試験に出た。

[蛇足]

「青少年有害図書」を開くと、このセンター試験の問題が解説してあった。
その正解文は

I’ll be surprised if Tom doesn’t have an accident. He drives too fast.

である。

これに関する「青少年有害図書」の解説を下に引き写す。

X if not Y (X, Yは文の内要)の表現で、「Yが起こらないことの結果としてXが生じる」という意で用いる場合、unlessは使えない。unlessは問題805で述べたように排他的色彩が強く、X unless Yとなると「Yの場合を除けば私は驚くだろう」となる。本問でunlessを用いると、「トムが事故に遭う場合を除けば私は驚くだろう」というありえない文意となるのである。逆に問題805は、「君が求める場合を除けば誰も助けてくれない」内要を示すからunlessが可能なのである。

とある。805の問題もセンターの問題で正解文は

Don’t just sit around waiting for someone to help you.
Nobody is going to help you unless you ask.である。

英語国の幼稚園児がif~notやunlessを使う度に、こんなにまわりくどいことを考えておいてから喋ったりはしないはずだ。

ちなみに、「青少年有害図書」は全国の高校で英語教師によって推奨されており、何十万という高校生がこの問題集、及びこれに準じた練習帳を持たされているようだが、生徒たちが何とも哀れだ。

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《仮定法-17》

as if/as though の構文: 発話者の叙肯文的または叙否文的心理に従って、 直説法にも仮定法にも使う。 訳は 「あたかも~のように」

(1) 直説法での用例: 発話者が確信を持っている、 又は本当にそんな気になっている。

as if/as though の後ろには色々な動詞形がくる。

You look as if you know each other.
(お互いにご存じのようですね) (PEU p.76)

It looks as if it's going to rain.
(雨になりそうだ) (PEU p.75)

You look as if you've been running.
(君は今までずっと走っていたようだね) (PEU p.76)

It sounds as if/as though the situation will get worse. (ALEX p.33)

現実には存在しないことでも発話者が本当にそんな気になっているケース。

I feel as if/as though I'm floating on air.
(ALEX p. 33)

◎I feel as if I've got two left feet.
[まるで左足が2本あるみたいな気分だ]
([続]英誤診 p.152)

(2) 仮定法での用例: 発話者があり得ない架空のこと、 不明なこととして述べるもの。

これには was の代わりに were を用いることができ、 また口語体では was の方が普通だ(PEU p.76)という。
  
He looked at me as if I were mad.
(まるで私が気が狂っているかのように、 彼は私の顔を見た)
(PEU p.76)

as if/as though の前の部分は現実そのままを述べる叙肯文だから動詞は直説法だが、 as if/as though 以下の部分は現状・現実とのズレを述べるので仮定法だ。

しかし、 「直接話法と間接話法との書き換えごっこ」の弊害をモロに受けて、 この直説法の動詞の時間帯が変わると仮定法の部分の動詞も形が変わらなければならないという「ドブねずみ頭」ができ上がっている。

これに対し 「仮定法は時制の一致の制限を受けない」 という説明が一般に行われているが、 これに対しては後程、 別の解釈を加えてみる。

That Japanese speaks English as if he was an American.

That Japanese spoke English as if he was an American.
(変化せず)

He looks as if he had seen a ghost.

He looked as if he had seen a ghost.
(変化せず)

wish の構文でも同じことが言える。

I wish I were rich.

I wished I were rich.
(変化せず)

筆者は未だになぜ as if = as though なのかを知らないのでそのままにしておいた。 “成句 as though 「あたかも...かのように」は1200年ごろに初出”と「英語語源辞典」(研究社)にはあるのだが、それ以上の説明はないのでそのままにしておいた。

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tag : 仮定法 as if though

《仮定法-16》

Long live the Queen! の live が倒置(SVの語順が逆)になっているのは、 現代ドイツ語では今でも主語以外の要素が文頭に立つと倒置にするから、古代英語の名残であろう。

これらの限られた語句にだけ残っているこの原形の用法は一般に 「仮定法現在」 として説明されているが、 原形を使うこと、 及び結果は出てみないと分からないが、 一応発話者が発言時に 「こうなれ」 と肯定の気持ちで述べるのであるから叙肯文である。

これは、非現実が分かっていて述べる叙否文とは別物であるから、 英語でもこれを 「仮定法」 と呼ばないで 「要求話法」 とすれば理解がし易いと思う。 しかも死滅しかかっている話法だ。

えらく前置きが長く、 難しくなったが簡潔にまとめると、 英語で使う動詞形は

(1) 直説法 : 現在形、 過去形 (現在形は現在時・未来時に使う)
(2) 命令法・要求話法 : 原形 (共に発言時より後、 即ち未来の状態・行動を表す)
(3) 仮定法 : 過去形、 過去完了形 (過去形は現在時・未来時に使う)

[直説法では一応、現在完了形は現在形、 過去完了形は過去形に含めて考える]

動詞形の用法を 「will は未来」 という「ドブねずみ頭」に合わせて見ようとすると、 これ程簡潔な形態がいつまでたってもえらく複雑に見えてしまう。

しかも、 いわゆる「時制」は日本語と重複する部分が非常に多いのだが...

(本稿では He must leave tomorrow. といった文で leave するのは発話時より後になるから、 こういうことを指して文章時は未来という。前述はしてあるが...)。

「要求話法」で原形がまだしっかり残っている部分がある。 次にこれを見る。

テキスト(1)の第3講の「提案・要求のshould」 の所にあった 「なお should を使わないで動詞の原形を使うことも多い」 というやつだ。

こうすることを提案するとか、 勧めるとか、 要求するとか、 命ずるとかを表す動詞、 及びこうあることが望ましい、 必要であるといった形容詞や名詞(ジーニアス should6の語法参照)の後の that 節の中には英国英語では 「べき」 を表す should が普通入るが、 ここにshould を使わないで要求話法の原形を使う古い用法がアメリカ英語の方には残っているとはよく言われることだ。 英国からの移民時代の昔の言い方が今に残ったものだそうだ。

だが、 [続]英誤診 p.163 (著者は英国人)には下記の記述がある。


◎I demand that he be fired.
[彼を首にすることを要求する]
◎I recommend that she take a holiday.
[彼女が休暇をとることをすすめたい]

上のような表現は、 特に suggest, demand, move の後の that 節の中では現在でもイギリス英語でよく使われる (一般に形式張った文脈の中で使われる) が、 直説法の形も一般によく使われる。

I recommend that she takes a holiday. [同上]

この直説法もよく使われるということは 「かわず英語」 の解説には決して出て来ないから注意。

だが、 文章の意味に曖昧さが生じたら原形を使うとそれが避けられることがあるという。

◎He insisted that she was careful.
[彼女は注意深かった、 と彼は主張した] または
[彼は彼女に対して、 注意しなさいと強く言った]

◎He insisted that she be careful.
[彼は、 彼女に対して注意しなさいと強く言った]
                         (同 p.163)


こういう注釈は「本物英語」を習得したいと思う者にとっては本当に有難い。

 
受験用の学習参考書にはもうコリゴリだ。

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tag : 仮定法 should

《仮定法-15》

原形を用いた要求話法:肯定の気持ちを踏まえた要求を表す文(叙肯文)

英語は古代ゲルマン語が元である。ゲルマン語時代の古い形を未だによく残す現代ドイツ語では、現在もこう言うから英語でも古くはこう言ったのだと見ると分かりやすいことがよくある。

英語の be 動詞だけが現在形と異なる原形を持つのは、 この動詞だけが古い形を残し持っているからである。

ヨーロッパの言葉は、 少しでも違うことには言葉を変えるのが原則である。

動詞も主語に付いている場合と付いていない場合とを区別している。 ドイツ文法では主語に付いていないものを行き先不定として 「不定形」 (英語では原形)、 主語に付いたものを行き先決定として 「定形」 という。

主語も I と you と he とでは皆違うとしてそれぞれに異なる語尾をつけて区別するのが本来の姿である。

[英語] be (= 原形)

I am
you are (定形群)
he is

[ドイツ語] sein (= 不定形)

ich bin
du bist (定形群)
er ist

[sein は英語の be 、 ザインと読む。 ich=I, du=you, er=he]

発言者が自分の言いたい心理状態に応じて使い分ける 「動詞の語形変化」 を 「法」 という。
ドイツ語ではこの語形変化がよく残っている。 現代ドイツ語には3種の法がある。

(1) 直説法 (叙実法)
(2) 命令法 間接話法 (叙肯文)
(3) 接続法 (叙想法)- 要求話法
非現実話法 (叙否文)

叙実法、 叙想法という用語は英文法でもよく見られる。

(1) の直説法は物事をそのままに述べる具体のレベルの言い方。
(2) の命令法 (意志法ともいう) と
(3) の接続法とは発言者の心理を表す言い方で抽象のレベルの言い方である。

間接話法は物事を見聞きして一旦記憶の世界に入ったことを、後で心の中から取り出して述べる言い方なので抽象のレベルの言い方に入る。

上記3つの法はそれぞれ言い方が異なるからドイツ語ではそれぞれに対する動詞の語尾変化がある。
しかし、間接話法と要求話法とは共通の語尾変化を用いる (一部異なる部分があるが)。

間接話法   原形を語幹として各人称にそれぞれの
(3) 接続法 - 要求話法 語尾を付ける
非現実話法 - 過去形を語幹として各人称にそれぞれ
               の語尾を付ける

英語ではこんなややこしい語尾変化は捨て、 人称語尾変化は be 動詞と三人称単数現在の –s と does とhas が残っているだけである。

上記のような法ごとに異なる語形もやめ、 直説法の現在形と過去形だけでものを言っている。

ただ、 命令法と、 原形をつかった要求話法 (一般に「仮定法現在」と言っているもの) には原形を使う。

この両者とも発話者は 「こうせよ、 こうであれ」 と思って発言するのであるから両者の違いは紙一重である。

命令はyou(君と君たち)に対してしかしないが、ドイツ語の命令は原形の語幹に you の単数用の語尾、 複数用の語尾を付ける。 英語では一律に原形を使う。

「神よ、 あなたを祝福せよ」 という三人称に対する命令は 「神があなたを祝福せんことを」 という要求話法となる。

英語ではこの場合に God bless you. と原形を使うが、こういった原形は一部の決まった少数の語句のみにしか使わない。Long live the Queen! The devil take it!

助動詞 mayを使った場合は倒置にして直説法との区別をする。

May the next year bring you happiness? (ジーニアス)
                         
[蛇足]

よく知られているように水道の水が飲めない国がある。そういった国の人たちが泊まったときのために、日本のホテルでは洗面所に「この水飲めます」と英語で書いてあることがある。

あるビジネスホテルで“This water be good to drink.”と印刷したステッカーが貼ってあるのを見てビックリしたことがある(本来ならば“good to drink”だけでいい)。

凄く洒落たリゾートホテルでも見たことがある。こういう国辱もの製品がホテル業界で日本中に販売されているらしい。

各種の新聞を取り揃えた新聞スタンドに“NEWSPAPER”と単数で書いてあったりもする。

日本では学校英語で育つとホテルの支配人とて英語感覚とは無縁なのだ。

こんなに偉そうなことを言う、この筆者自身も「アホの2乗」のまま機内アナウンスをしつつ国際線を飛ぶパーサーだったのだ。

長屋英語」で日本は滅ぶ。

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(49)《仮定法-14》

wish (that) + 仮定法の文 : 「~であればなぁ」と願望とのズレを詠嘆する文。 後半の「~するのに」は省略して言わないのが普通。

テキスト(1)のこの項を見ると、「願望のI wish表現」という表題の元に、次のような文例があって、その下に表があがっている。

  I wish she were my girlfriend.
I wish I had proposed to her then.
I wish I could swim.


I wish S + 仮定法過去 (現在のことへの願望)
= I am sorry S + 現在形
I wish S + 仮定法過去完了 (過去のことへの願望)
=I am sorry S+過去形


これでは、 この構文の主語は I しかないことになる。 そして、 これではまた未来表現がないことになる。 彼らのアタマの中は will がないと未来ではないのだ。

I wish と自分の願望を述べる場合、 I wish の所を If only (~でさえあれば)としてもよい。if only の方が詠嘆的な感じが強い (PEG p.411) とある。

I wish とした場合 I wish ≒ if と見れば簡単だ。 I wish の部分は自分が今実際に望んでいることを述べているから、 この部分の wishは叙肯文で直説法だ。 それ以下が願望とズレたことを述べる仮定法。

 以下に説明と文例を引用する。

I wish/if only Tessa was here now.

were を使う方が形式ばった表現で、 どちらかというと願望を実現困難と思わせる表現効果をもつ。

I wish/If only I had been here yesterday.
(以上 ALEX p.311)

I wish I could have been with you.
I wish he could come tomorrow.
(以上 ALEX p.312)


最後の文は未来時への願望を表す文章。 過去時に対する願望は他の場合と同じく動詞の過去完了形、 又は法の助動詞を使った過去完了形で表す。

次の文は主語が she の例。

She wishes she hadn't said it.
(彼女はそれを言わなければよかったと思っている)
(PEU p.620)


wish + 主語 + would の構文 : 意志の will を使ったもの。

我々の 「学校英語」 ではまず習うことはないが、 長文読解に必要だ。

PEG, PEU, ALEX のいずれにも載っている。 無論、 [続]英誤診にも載っている。

「~がその気になってくれれば・頂ければ」という構文。wouldで丁寧な依頼(お気持ちがあれば)や不満(その気になってくれればいいのに)の気持ちが表される。文例は下記の通り。

(対二人称)I wish you would help me.
(君に手伝ってもらいたいのだが)

I wish you would stop humming/interrupting/asking silly questions.
(君が鼻歌を/じゃまをするのを/愚問をやめてくれればいいいのだ  が) (PEG p.413)

(対三人称)I wish he would answer my letter.
      (I have been waiting for an answer for a long time.)
      (彼がぼくの手紙に返事をくれるといいのだが)
      [長い間返事を待っていのだが、 まだくれない]
                                 (PEG p.412)

(対無生物) I wish it would stop raining. (PEG p.412)



[(対ニ人称、対三人称、対無生物)という分類はこちらで勝手に付けた。it would stop rainingは「雨さん、止む気になってくれればいいのに」と擬人化で長雨を嘆く言い方]

この構文は日本の学校英語からは完全に欠落している項目。

しかし、キリスト教系の中高一貫進学校などでよく使われている略称「プログレス」というテキストでは中三の終わりの方で習う中学の項目である。

辞書にはむろん元から書いてある。例えばジーニアス wish (他) の項の3を参照。このごろはセンター試験の問題文の中などにも入るようになった。

「青少年有害図書」の著者たちの最新版にも入った。だが新傾向 としてある上、このwouldを「未来を表す助動詞willの仮定法過去の形」としている!!

彼らのアタマの中では「will はあくまでも未来」であって、同じ予備校内の英国人講師がいくら「will は未来という時を表すのではない」と教えてやっても、彼らのアタマはそれを理解して受け付けることは無いのである。

(48)《仮定法-13》

「もし~がなければ」 の構文:

一般のテキスト・参考書にはこの構文に対して there 構文が使えることが記してない。

「もし空気がなければ我々は生きてはいられないだろうに」 という文は下のように書ける。

(1) If there were/was no air, we couldn't be alive.
(2) If there weren't/wasn't air, we couldn't be alive.
(3) Without air, we couldn't be alive.
(4) But for air, we couldn't be alive.
(5) If it were not for air, we couldn't be alive.

if it were not for というわけの分からない言い方が 「もし~がなければ」 という意味になる説明は一般のテキキス・参考書には記してあるのを見たことがない。 生徒もまた例の分からないままの暗記を強いられている。

先に引用した若林俊輔教授の本の中に下記のような解説があった。 記憶を頼りにそれをお借りするが、 この本は現在手元にないのでページ数は分からない。 記憶に間違いがなければよいが...

it : 状況の it (現在我々が生きていられるという現状)
for: 原因の for ( 「お陰」 と訳すと分かりやすいかもしれない)

これらを組み合わせると、 if 「もし」 it 「我々が今生きていられることが」 for air 「空気のお陰」 were not 「でない」(ならば)ということで全部入る。 これを簡単に 「空気がなければ」と縮めて訳しているだけだ。

but for という前置詞句がなぜ without と同じ意味になるのかも説明がしてあるのを見たことがない。

この for も上の for と同じもので 「お陰」 である。 but に問題があるわけだが、 これは 「除く」 (よくある anything but の but と同じもの) の but で、 二つ合わせて 「お陰を除けば」 → 「お陰がなければ」 ということで without と同意になる。

 だがここで注意すべきは but for にも without にも if の意は含まれていないから、 これらの上に「if の気持ちを乗せて使っている」としなければならないことだ。

if it were not for の過去用の形はむろん if it had not been for である。

without が 「なければ」 という気持ちを表すのに使われるから with はまた 「~があれば」 の意に使われる。

With your help, I could be successful.
(あなたの援助があれば、 うまく行くのですが)


It is time ... の構文: 適時とのズレを表す構文。訳は 「もう~してもいい頃だ」。

もう~すべき時になっているのに~していないことを表す叙否文。

time の前に about や high が付くことがある。 時間を表す語に high が付くと其のときの高まりということであろう 「真っ盛り」 を表す。 high noon 「真昼」 、 high summer 「盛夏」 (各自辞書参照)。

PEU p.602 にはこの構文は 「現在・未来」 に使うとある。 PEG p.399 にはこの構文では、I/he/she/it には were は続けられないとある。

またこの構文の後半に進行形が続く例文は普通のテキスト・参考書には見られないことにも注意を要する。

It's time we went. (もう出かける時間です)
It's time we were leaving. (もう出かけている時間です)
It's time I was going. (もう出かけている時間です)
(PEG p.399 より)


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tag : 仮定法

(47)《仮定法-12》

また “If ~ were to” の「形と訳」だけを暗記しても仕方がないので、何を表すためにどう使うのかを見てみる。

我々に与えられている学習参考書ではこの形は「実現の可能性がないことに対して使う」とあるのが普通だ。ALEX p.391 には次のようになっている。

─────────────────────────
If-節 : were to/was to 主節 : would/should など
満たすべき条件 → 起こりそうな結果
─────────────────────────
                      

主節に対してのっけから「起こりそうな結果」とある。我々の持つ参考書が示すズレが凄い。

文例と説明をも引用する。

If I were to(またはwas to)ask, would you help me?

I/he/she/it の後ろに were to を 用いるのは、 was to よりもより一般的である。 were to の方が、 述べられている内容をより仮定的で丁寧な言い方にする。


同所にあるその次の文例は起こりそうなこととして使ったものだ。

If I asked him, I'm sure he'd help us.
-Do you think he would?
Well, if I were to ask him nicely.

PEU p.283 の if ~ were to の項には次のように記してある。

この構文は、 未来における可能性があまり多くないような感じにさせる。 また、 提案をより遠慮がちなものにするのに用いることもできる。

What would you do if war were to break out?
(仮に戦争が起こるようなことになれば、 君はどうしますか)

If you were to move your chair a bit to the right we could
all sit down.
(いすをほんの少し右に動かしていただけると、 みんなが座れる
    のですが) (引用終わり)

この 「提案をより遠慮がちなものにする」 という解説など一般の参考書では全く見られないのではないか。

昔から定評ある学習参考書だけを頼りにテキストの問題に対する模範解答と解説を付けた教師用手引きには相変わらず昔通りの記述が載ってくる。

生徒はそんな解説を聞くわけである。 そして相変わらずの 「かわず英語」 が連綿と続いて行く。

生徒の方もそのような解説を聞くと「学校で習った通り言ってくれるのであの先生の説明は分かりやすい」 となり、 人気投票で○を付ける。

するとキキケケの方はあの先生は人気が高いから「間違いがない。いい教育をしている」と奉ることになる。

何ともアホゥな悪循環だ。 救い難い。

PEG p.303のみには、 この if ~ were to 構文は主としてかなり形式ばった文で使われるもので、 口語でも使われるが=の右側の方がずっと普通であるとしてある。文例は下記の通り。

If he were to resign ... = If he resigned ...
(もし辞任すれば)

If I were to succeed ... = If I succeeded ...
(もし成功すれば)            


この構文は If ~ should 構文と異なり、 主節は必ず would, could 等を用いた仮定法。

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(46)《仮定法-11》

If ~ were to の構文に入りたいが、 其の前に仮定法と were/was について記してみたい。

[続] 英誤診の p.145 には

最近では、 仮定法のの代わりに直説法が使われることが多くなっている。 (文例略) 真の仮定法が依然として用いられているのは、 以下に挙げる場合に限られる。 (中略) その他の場合、 were か was かの選択はどちらでもよい。 日本ではこのことが十分に認められてないようだ。次の問題は、教科書から採ったもの。

?◎ I wish I ( ) an engineer.
(1) will be (2) am (3) was (4) were

解答は(4)だけとなっているが、実際には日常英語では(3)のwasの方がよく使われている。

とある。

しかし、 テキスト(1)では「口語では wasを使うことも多いが、 我々は原則通り were でおぼえておこう」 とし、 「青少年有害図書」では 「従属節の be 動詞は人称などに関係なく were を使うのが原則」 としている。

たかが予備校講師がなぜこういう規制をしてしまうのであろうか。 彼らの感覚のズレでまた 「かわず英語」 だ。 この were が英語では死滅寸前の本物の仮定法の動詞形だという認識がないのかも知れない。 

PEG p.309 ~ p.310では 「if+were」 と 「if+was」 という見出しを作って 「原則としてどちらも使われるが、 文語では were のほうが多い」 「ただし、 助言を表す If I were/was you I should ... の場合は were のほうがやや普通である」 「were/was to の場合も were のほうが普通である」 「倒置構文では were だけが使われる」 等々とある。

PEU にも該当部に同様な記述があり p.577 には 「so to speak (いわば) と同じ意味の as it were という表現では、 いつも were が用いられる」 とある。

ALEX でも If+主語+were/was... という見出しがあって同様なことが述べられている。

他にないところでは、 p.390に 「If it were not for/Were it not for の場合にも were のかわりに was を用いることは一般的にはできない」 と記してある。

本国の文法書が was を使わない場合を特に述べ、 後はどちらでもよいとしていることに対し日本の「ドブネズミ予備校講師」が勝手に were を押し付けているわけである。  

倒置文に関してテキスト(1)では「if節の if が省略されて were [had, should]+主語の語順になることがあり、入試に頻出する」 とある。 入試に頻繁に出す方が悪いが、 一言断ってやる必要がある。

同じ予備校から出ている[続]英誤診 p. 145 には下記の記述がある。

(1)Were I not such a fool, I would have realised what was going on.
[私がこれほど愚かでなかったら、 事態を理解していただろう]

上に挙げたような倒置文はまれで、 堅苦しい表現であるため、 避けた方がよい。

とある。

ALEX p.391 にも 「この倒置形となる形は、 非常に形式ばった文脈のみで使われる」 とある。

生徒の方はこういうことは何も知らされずに 「入試に出る」 ということでともかく暗記するわけだ。

これは英語を習っていることではなく「入試点取り芸」というサル芸の調教を受けていることでしかない。

If ~ were to の形:

やっとこの構文に入ることができる。 この構文は下記の is が were になっただけだ。(be to doの形は不定詞の所で詳述)

The sun is to rise at 5:05 tomorrow morning.
↓ (明朝日の出は5時5分)[不定詞の be to の形。 予定]  
If the sun were to rise in the west, he would not change his mind.
(たとえ太陽が西から上がるようなことがあっても彼は決心を変えないだろう)

上の文は叙肯文(ありうる事を述べる文)、下の文は叙否文(ありえない事を述べる文)。だからbe動詞の所「仮定法」になった。

ただそれだけのことである。以前、生徒の質問に答えている講師が「このwere to は助動詞だと思いなさい。 だから後ろに原形が来る」 と言っているのが聞こえてきてギョッとしたことがある。

しかし、私も学校で英語を習っていたときには、この形を極めて特殊な形だと思っていた。

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tag : 仮定法でのwasとwere

(45)《仮定法-10》

次ぎに未来向けの観察をする。

(未来向けの観察)

(1) (現在形)

must so
may do
can do
will do
shall do

(2) (過去形)

[must do]
might do
could do
would do
should do

(3) (現在完了形)

must have done
can have done
will have done
shall have done

(4) (過去完了形)

must have done
could have done
would have done
should have done


(用法)

(1)欄: 現在・未来に使用

(2)欄: 間接話法における(1)欄の過去形に使う。 仮定法の現在・未来時用に使う (must だけは仮定法に使用せず)。

(3)欄: 前述のように、まずは will/shall have done のみ使用。 現代英語ではshall を使うことが減少。

(4)欄: 間接話法における(3)欄に対する過去形に使う。仮定法過去時にも使用。多分、いわゆる未来完了に対する仮定法としても使用可能。


大阪のリフォーム屋のおっちゃんが

「あした晩の5時までに仕上げときまっさ(意志)」というのは
“I'll have finished it by 5:00 tomorrow night.” だが、

「これあしたの晩5時には仕上がってまっしゃろ(予測)」 なら
“It will have been finished by 5:00 tomorrow night.” だ。

「これあしたの晩5時には仕上がっとることになってまんねん(自然の成り行き)」なら
“It shall/will have been finished by 5:00 tomorrow night.” だろう。
[“ことになる” の will/shall]

これらを断定する気持ちに少し陰りが出てくると (断定の否定)、即ち「仮定法」となる。 だから、

「これあしたの晩5時には仕上がってまっしゃろけど...」 は
“It would have been finished by 5:00 tomorrow night.” となり、

「これあしたの晩5時には仕上がっとることになってまんねんけど...」は
“It should/would have been finished by 5:00 tomorrow
   night.”

となるはずである。

will/shall を使った未来用の完了形は細々と生き残っているという感じがする。 しかも shall の出番が少ない。

にも拘わらず、「ドブネズミ英語」では will have done を 「未来完了」 様々と針小棒大に奉っているわけだ。

法の助動詞を使った現在完了形を過去向けの推量などに使おうと、 未来向けに使おうと法の助動詞が現在形なのは、 推量などの心の働きが現時点で動いているからである。

法の助動詞の現在形は昔は過去形だったという。

過去形を現在形として使うようになって(だからこれらを「過去現在動詞」という変な呼び方をすることがある)過去形を新しく作ったわけだが、 どういうわけか must にだけは過去形ができなかった。

ドイツ語の must の現在形・過去形・過去分詞は müssen,
mußte, gemußt と変化するが ß という字は [s] と発音する。

mußteが英語の must に当たる。これは前述した。


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プロフィール

snack7

Author:snack7
関西の大手私立大学独文卒。JALスチュワードからパーサーとなるも7年で退職。元の独文の修士課程に戻り終了後短大のドイツ語非常勤講師などを経て、予備校英語講師となる。現在は在宅年金生活。1938年1月1日生まれ。

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