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(26) 《「過去完了は過去の前」で頭が潰れる-5》

過去完了を使わないケースを二つに分けて見てみる。

(1)使っても使わなくてもよいケース:(以前に見たもの)

PEU p.446 にある間接話法を使った文例で見る。

He told me somebody had phoned when I was out.
(または...when I had been out.)
(わたしの外出中に誰かが電話をかけてきたと彼は私に言った)

「電話をかけてきた」 は 「ダブルの “た"」 で初めの “た" で過去完了形。 其のとき私は居なかったのだから同時で had been でもよいのだが、 ことさらにそう言わなくても分かるから was でよいのだ。

(2)使わないケース

「直後の when = just after」 を使って行為が連続している場合

When she saw the mouse she screamed.
(ハツカネズミを見ると、 彼女は悲鳴を上げた) (PEU p.446)

我々はストップウオッチで時間を測りながらものを言うのではない。 いくら時差があってもほぼ同時だと思う場合にはこのように言う。

日本語の方でも 「見ると」 と言って「ダブルの “た"」 を使わない。 ここは英語と日本語の感覚が同じなのだ。

when を使った副詞節を含む文例が出たので、 before を使ったものも見てみる。

He will throw the book away before he has finished it.
(彼は読み終えてしまう前にその本を投げ捨てるだろう)

青少年有害図書」(河合塾英語講師二人による著)に「当然未来完了になるべきだが副詞節だから現在完了になる」というとんでもない説明のあった例の構文だが、「しまう」が言いたいから完了形を使ったものだ。

「現時点で~してある」ことを基本とする現在完了形だが、「現在時」に属する動詞形だからこれを現在時から見た未来時にも使い得る。この文を常時を表す現在形で書くと、

He always throws books away before he has finished them. 
(彼は本をいつも読み終えてしまう前に投げ捨てる)

となる。

これを過去の話にすると、

   He threw the book away before he had finished it.
(彼はその本を読み終えてしまう前に投げ捨てた)

で、 過去完了形にも過去時から見た未来時に使う用法があることが分かる。

しかし、 日本語ではこういう場合 「~してしまう前に」 と言うよりは 「~しないうちに~した」 と言うのが普通だ。 別の言い方では、 「読み終えてしまわないうちに捨てた」 と言う。

だから 「~してしまわないうちに~してしまった」と言うには両方の項に完了形が入る。

It was a very expensive town. Before we had been here a
week we had spent all our money.
(それはとてもお金のかかる町で、 1週間もいないうちにお金を全部使いはたしてしまいました)
(PEG p.267)

till を使った文にも過去時から見た未来の用法が見られる。

He did not wait till we had finished our meal.
(彼は私たちが食事を終わるまで待っていませんでした)
(PEG p.267)

ともかく「~してしまう」が言いたければ完了形を使うのだ。




(25) 《「過去完了は過去の前」で頭が潰れる-4》

型文法」では「過去の物事を時間の順に述べる時には過去形を並べて行き、時間の順が逆になった所に過去完了を使う」と習う。

しかし、前記1、2、3に引用した文例は全て時間の順、「順時」、に物事を述べている。

しかも最後の引用分では、時間の順が逆(ここではこれを「逆時」ということにする)になっていないのに、即ち時間的に前ではなく後のことにも過去完了を使っている。

「過去完了は過去の前」という「ドブねずみ頭」に固められた生徒は決してこういう文を理解することはない。「しまっていた」ということを表すにはこう言わざるを得ないのだ。

以上1、2、3、の文例の完了形は全て完了形が持つ意味で使ったものだ。文法はどうしても「意味文法」でなければならない。

次ぎのものも同じである。

4) 経験・結果:~したことがあって~した

As I had seen him twice, I recognized him easily.
(2度会ったことがあったので、簡単に彼だと分かった)

次ぎに、「逆時」で時間の前後関係を明示するための用法、いわゆる「大過去」の用法を見る。「~した。その前に~してあった」とその前を振り返る用法である。

I got up at 7:00, left home at 8:00, and the first lesson began at 9:00.

これは 「順時」 の文であり、 time focusがないので、完了形の意味を乗せなければならない部分はない。

これに沿った文例が次ぎのものであり、 その後の文例と比較すると 「逆時」 の用法がよく分かる。

He arrived at 2.30 and was told to wait in the VIP lounge.
(彼は2時半に着いて、 貴賓室で待つように言われた) (PEG p.265)

He arrived at 2.30. He had been told to wait in the VIP     lounge.
(彼は2時半に着いたが、 貴賓室で待つようにあらかじめ言われていた)                     (PEG p.265)

「逆時」 、 即ち過去向けの時差があったら過去完了を使う。

これは、 間接話法の文でよく見ている。 過去形の伝達動詞より、 伝達文の内容の方がそれより以前のことだからである。

PEU p.445 から3つの文例を引用する。

I told them that I had done enough work for one day.
(1日にしては十分な仕事をやりました、 と私は彼らに言った)

She wondered who had left the door open.
(彼女は、 誰がドアを開け放しにしておいたのかしらと思った)


I thought I'd sent the cheque a week before.
(私はその1週間前に小切手を送ったと思った)

最後の文例の訳に見るように、 日本語では 「送ってあったと思った」 とは普通言わない。 簡単に 「~したと思った」 と言う。 この 「ダブルの “た"」 の最初の “た" が過去完了に当たる。

He said, “I was a cook.” (直接話法)
(僕はコックだったと彼は言った)

He said that he had been a cook. (間接話法)
(過去向けの時差)

過去向けの時差があっても完了形を使わなくても分かるケースがあることは前に見た。



(24) 《「過去完了は過去の前」で頭が潰れる-3》

I got up at 7:00, left home at 8:00, and the first lesson began at 9:00. [順時]
(話の流れが時間の流れに沿っていることを 「順時」 と言うことにする)

この文は単に 「ああして、 こうして、 その後こうだった」 ということを述べるだけのもので、 このうちの「どの時点のことを特に取り上げて言おうとする気持ちのない」文である。 こういう状態を 「time focus がない」と言う。

次に、 現在完了形が過去にずれた過去完了形の用法を見る。

1) 継続: その時までずっと~し続けていて、 その後もそのまま~し続ける

Ann had lived in a cottage for sixty years / ever since she
was born, and had no wish to move to a tower block.
(アンは60年間も/生まれたときからずっと、 小さな家に住んでいて、 高層住宅に移りたいとは思わなかった)
(PEG p.263) [順時]

[ここの she was born の was は had been born でもよいが、 話の流れからそこまでしなくても分かるから、 簡単な形の方を使ったものである]

次に [続] 英誤診 p.119より引用。

?◎We ate the cake she baked.
(このままでも可またはhad baked)

ケーキは、 食べられる前に作られたということは明らかである。 そのためわざわざ過去完了を使う必要はないと言える。 (引用終わり)

「過去完了は過去の前」 という「ドブねずみ頭」に合わせて見ようとしないこと

2) 直前停止の継続: その時までずっと~し続けていたが、 直前でそれが止まったもの

Peter, who had waited for an hour / since ten o'clock, was  very angry with his sister when she eventually turned up.
(ピーターは1時間も/10時から待っていたが、 やっと妹が現れると、 彼女にひどく腹を立てた) (PEG p.263)
[順時]

3) 完了: ~してしまってから~した

When he had shut the window we opened the door of the
cage. (We waited for the window to be quite shut before   opening the cage.) [順時]
(彼が窓をしっかり占めると、 私たちは鳥かごの戸を開けた) [鳥かごを開ける前に、 窓がちゃんと閉まるのを待った] (PEG p.266)

「~してしまう」 を表し得る動詞形は完了形しかない。 だからここでは完了形が使われている。

これは日本語と言い方が同じだ。 だから2講前の最後に引用した文でも「彼カバン無くしちゃってねー」ということで完了形なのである。

更に、次のような文も可能である。  

I began collecting stamps in February and by November I   had collected more than 2000.
(私は2月に切手の収集をはじめ、 11月までには2000枚以上集めてしまっていた) [順時]
[アレクサンダー英文法(丸善)(以後 ALEX と略す)p.239]

(23) 《「過去完了は過去の前」で頭が潰れる-2》

[続]英誤診の p.118 に過去完了を説明するのに「時の焦点」 (time focus) という言葉が使われている。 ここではこの理論を追従して述べることにする。

しかし、 「過去完了は過去の前」 でアタマが固まっており、 それに基づいて生徒をまた同じ「ドブねずみ頭」に固める 「笛吹きさん」 にはこの辺りの理論は極めて難解なものであるはずだ。 理解不能であるかも知れない。

更に 「時間感覚障害者」 とすべき人々も居るのでそれも障害となって理解困難が不可避な場合もあることを付記しておきたい。

聴覚障害者、 視覚傷害者、 小児マヒ等による運動能力傷害者たちには施設がある。 しかし、 方向感覚傷害者 (俗に言う 「方向音痴」 ) に対する施設はない。 同様にして 「時間感覚傷害者」 に対する施設もない。

「価値観傷害者」 はこの世のガン的存在だが、 これに対する施設もない。 「価値観傷害者」 に関しては別所で述べる。

時間感覚に傷害を持つ人はものの順番が分からない。 筆者は YOHAN の “English Through Pictures”で小学生に英語を指導していた時に、ものの順番がわからない者が居ることを発見した。

before と after を導入する所が出て来た時、 おもちゃの車を二台動かして見せながら “The blue car is going after the red car." とやるのは目前に見ていて具体のレベルなので分かるのだが、 これを数字に持ち上げて字で書かすと全く分からなくなる子がいて大いに困った。

即ち、 Page ten is ( ) page nine. Page eight is ( ) page nine. といった問題の穴埋めになると全く答えに窮してしまうのである。 偶然、 答えが合った時に○をして通すしか仕方がなかった。

こういう子供が浪人となって予備校に来ると Mr White came into the room, followed by his wife. といった文が出てくるとどちらの方が先に入ったのかが分からない。

だから形のない時間の流れになるともっと分からないのである。

生徒はよく 「時制が分からない」 と言うが、 これは 「型文法」 の説明の仕方が悪いこともあろうが本人の中にも原因があることがある。

過去という概念を理解し得ない者も居る。 「今より前を過去という」 とした上で 「バスは今朝京都に向かった」 という文を英語で書かせたら Bus is leaving to Kyoto this morning. と書いた者が居た。

また 「私の父は私の生まれる3日前に亡くなった」 という問題で 「私の生まれる」 という所を I will be born とした者がいたので、 ここの「私」はこれから生まれ出るのか、 もうこの世に存在するのかと問うてみたところ、 それが分からないとのことであった。

また 「過去完了は過去の前」 と口では言っている(「門前の小僧、習わぬ経を詠む」なのだ)者が 「医者が来たとき、 彼はすでに2週間ベッドに寝ていた」という問題で「彼は~」の部分を He was in bed とするので、 医者が来た方が先か、 彼が病気で倒れた方が先かと尋ねてみたところ 「それが分からんッ!!」 と悲痛な声を上げて机を叩いた。

日本語のレベルでこういうことが感じ取れないのである。 彼らに時制の理解を強要することは車椅子で生活している人に 「やったら出来る」 と100メートルのスプリンターになることを強要することに等しい。 残虐行為の強制である。

教育とはどだい無関係なキキケケたちにはここの所が全く分からない。 「やったら出来る」 という言葉は、「生徒のためを思っている」という、またしても「老婆心」に基づいて行動してしまう。

「やったら出来る」という言葉はアタマを使うことの出来ない「愚者の蛮語」 であるが、 精神主義を唱えることは何とも勇ましくてカッコいい。

こういう無責任極まりない言葉を吐くやからは一度おのれのことを振り返って考えてみるといい。

しかし、この言葉におだてられた後で 「やっぱりダメだ」 と落ち込む生徒が、学校側から受ける心のケロイドは癒しようもない。

だから事務員には生徒の前で不用意にこういう言葉を決して吐かさないようにと理事長宛ての文書に記したが、 通達が出たかどうかは知らない。


(22) 《「過去完了は過去の前」で頭が潰れる-1》

「現在完了形」に対しては「過去形」がある。そしてハッキリと過去を表す副詞が使われると過去形を使う。

ところが、過去完了形に対してはこの過去形に対応する別形がない。同じ過去完了形を使う

これは時制の一致の書き換えでよく体験していることである。[続]英誤診 p.116 と p.117 の文例を引用する。

I am sitting staring out of the window. A year has passed   since I left home.
I was sitting staring out of the window. A year had passed   since I had left home.

ハッキリと過去を表す副詞は過去形だけでなく、過去完了形に対しても使う。 hadが過去形だからである。

過去完了形の形は had + 過去分詞 である。 had は過去形、 過去分詞は形容詞で時間には関係がないから、 過去完了形は過去時に属する動詞形である。 had は 「あった」 で、全体で「(あの時点で) ~してあった」 ということを表す。

過去完了形には2用法がある

(1) 現在完了形が過去にずれたもの (上記の had passed):現在完了形と意味が同様 

(2) 過去形が過去にずれたもの (上記の had left):いわゆる大過去

過去完了形を使うにも「心理」がからむ。 言葉は言いたい気持ちが先にあってそれを言い表すために使う。 だから形ではなくて、 言いたい気持ちに注目する。 これが「意味文法」。

以下の現在形で書いた文が分からない人はいない。 しかし、 これを過去形にするとたちどころに分からなくなる生徒が「学校英語」により多数製造されている。

I get up at 7:00, leave home at 8:00, and the first lesson   begins at 9:00.
I got up at 7:00, left home at 8:00, and the first lesson began at 9:00.

型文法」 で 「過去完了は過去の前」 と注入され、 過去の前は過去完了になるものというゾンビ頭に固められると、 上記の文で began が過去だから、 その前の left home がhad left home でなければならず、 そうするとその前の got up をどうしたらいいのか途方に暮れるという事態となる。 大多数の生徒がこうなっている。

予備校には元高校教師もおり 「学校英語」 をそのまま行っている者も居るわけだが、 「青少年有害図書」を開いてみると

The mail was delivered that morning and the secretary opened it.

という文があって、 この was delivered に対し had been    delivered とするのは、 英作文の答案でよく見かけるが、 極めて不自然とある。

「if節、 副詞節の中では未来のことは現在形」 として 「ここの that 節は名詞節だから will になる」 とする生徒を作っている者が、 「過去完了は過去の前」 と習った生徒にhad been delivered と書いたことに対し 「極めて不自然」 とすごみ返すとはなんともやりきれない奢りを感じる。

He had lost his case and had to borrow Tom's pyjamas.
[PEG p.262]
(彼は[旅行]かばんをなくしてしまって、 トムのパジャマを借りなければならなかった)

こういう過去完了形が理解できない 「どぶねずみ講師・教師」 はかなりいると思われる。

時間の順にものを述べながら過去形を並べて使わず先の行為に過去完了形がわざわざ使ってある
ここにも話す人の「心理」が働いているのである。訳文からその「心理」を読み取って欲しい。


プロフィール

snack7

Author:snack7
関西の大手私立大学独文卒。JALスチュワードからパーサーとなるも7年で退職。元の独文の修士課程に戻り終了後短大のドイツ語非常勤講師などを経て、予備校英語講師となる。現在は在宅年金生活。1938年1月1日生まれ。

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