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英文法革命-(時制)

(3)《進行形の怪しい講師たち-3》

前項の keep ...ing のからむ keep standing は少し難しいことを含むので、 まず簡単な普通の be ...ing の問題点を見る。

西南女子短大の長文で、 アメリカと日本の教室内の雰囲気の違いを記した問題を使った教材があった。 ここに教材付属の模範解答の日本語訳を一部そのまま写す。

 (前略) アメリカの学校では、 子供たちは自主性と競争心をもつことを学ぶ。個人の発達に大きな重点が置かれる。
子供たちは意見を出し、学級の討論に積極的に参加するよう促される。日本でも子供たちは学習の過程に積極的に参加するが、その方法は異なる。日本の教育制度は、集団のための協調的な環境を作り出すことに重点を置いている。討論は短く、しゃべりすぎは礼儀正しくないと考えられる。情報に異議を唱えず黙って受け入れることは、学習の妨げになるとは考えられていない。
日本で教えているアメリカ人教師は、生徒がおとなしすぎると思うことがよくある。このことは失望と困惑を生み出すことがある。その教師は、生徒が学習するのはとうてい無理だと思うかもしれない。

下線はこちらで付けたが、この最後の段落の所の英文は次の通りである。
American teachers teaching in Japan often feel that students are too quiet. This can cause frustration and confusion. The teacher may think that the students cannot possibly be learning.

この “cannot possibly be learning” という進行形の部分の訳が 「学習するのはとうてい無理だ」 である。 進行形の訳が全くなされていない。 cannot を 「無理だ」 としてしまっている。 ここの learn は 「習得する」 という原義で取るべきだ。

アメリカでは生徒がどんどん自分の意見を活発に吐くのに対し、 日本では生徒がじっと黙っているのを見てアメリカ人の先生がこれでは生徒が 「とても習得しつつあるはずがない」 と思うのである。 進行形のみならず、 can の訳までおかしい。

この訳はこの問題を採択した講師が訳したものか、 どこかにあった訳を引き写したものかは分からないが、 引き写したものであってもこの部分は直してなければならない。

面白いことに、 全訳配布禁止ながら、 この教材には初めから全訳が印刷してあって、 生徒はそれを持って帰って復習することになっていた。

 さて、前項の keep standing に戻る。 ジーニアスの keep の項の語法の一部を引用する。また、この項は高校生用のフレッシュ・ジーニアスにも載っていることを追加しておく。

残念ながらstanding が“単に「立っている」という状態動詞の意味には解釈されない”のは何故なのかが書いてないが...


I keep standing for an hour. の standing は 「立ったり座ったりする」 反復動作、 ないしは 「自分の意志で座らずに立っている」 という動作動詞であり、 単に 「立っている」 という状態動詞の意味には解釈されない。



前項の整序問題はご丁寧にも冬季講習のテキストに、 もう一度採択されて載ることは前述のとおりだが、テキスト編集に当たる人気講師たちはこういった辞書の注釈すら読んでいないことはこれで明らかだ。

「K-1」の著者たちもテキスト(1)(2)で授業をしている、又はした。この学習書に記載してある彼らの学歴を見るといい。


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snack7

Author:snack7
関西の大手私立大学独文卒。JALスチュワードからパーサーとなるも7年で退職。元の独文の修士課程に戻り終了後短大のドイツ語非常勤講師などを経て、予備校英語講師となる。現在は在宅年金生活。1938年1月1日生まれ。

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