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《仮定法-15》

原形を用いた要求話法:肯定の気持ちを踏まえた要求を表す文(叙肯文)

英語は古代ゲルマン語が元である。ゲルマン語時代の古い形を未だによく残す現代ドイツ語では、現在もこう言うから英語でも古くはこう言ったのだと見ると分かりやすいことがよくある。

英語の be 動詞だけが現在形と異なる原形を持つのは、 この動詞だけが古い形を残し持っているからである。

ヨーロッパの言葉は、 少しでも違うことには言葉を変えるのが原則である。

動詞も主語に付いている場合と付いていない場合とを区別している。 ドイツ文法では主語に付いていないものを行き先不定として 「不定形」 (英語では原形)、 主語に付いたものを行き先決定として 「定形」 という。

主語も I と you と he とでは皆違うとしてそれぞれに異なる語尾をつけて区別するのが本来の姿である。

[英語] be (= 原形)

I am
you are (定形群)
he is

[ドイツ語] sein (= 不定形)

ich bin
du bist (定形群)
er ist

[sein は英語の be 、 ザインと読む。 ich=I, du=you, er=he]

発言者が自分の言いたい心理状態に応じて使い分ける 「動詞の語形変化」 を 「法」 という。
ドイツ語ではこの語形変化がよく残っている。 現代ドイツ語には3種の法がある。

(1) 直説法 (叙実法)
(2) 命令法 間接話法 (叙肯文)
(3) 接続法 (叙想法)- 要求話法
非現実話法 (叙否文)

叙実法、 叙想法という用語は英文法でもよく見られる。

(1) の直説法は物事をそのままに述べる具体のレベルの言い方。
(2) の命令法 (意志法ともいう) と
(3) の接続法とは発言者の心理を表す言い方で抽象のレベルの言い方である。

間接話法は物事を見聞きして一旦記憶の世界に入ったことを、後で心の中から取り出して述べる言い方なので抽象のレベルの言い方に入る。

上記3つの法はそれぞれ言い方が異なるからドイツ語ではそれぞれに対する動詞の語尾変化がある。
しかし、間接話法と要求話法とは共通の語尾変化を用いる (一部異なる部分があるが)。

間接話法   原形を語幹として各人称にそれぞれの
(3) 接続法 - 要求話法 語尾を付ける
非現実話法 - 過去形を語幹として各人称にそれぞれ
               の語尾を付ける

英語ではこんなややこしい語尾変化は捨て、 人称語尾変化は be 動詞と三人称単数現在の –s と does とhas が残っているだけである。

上記のような法ごとに異なる語形もやめ、 直説法の現在形と過去形だけでものを言っている。

ただ、 命令法と、 原形をつかった要求話法 (一般に「仮定法現在」と言っているもの) には原形を使う。

この両者とも発話者は 「こうせよ、 こうであれ」 と思って発言するのであるから両者の違いは紙一重である。

命令はyou(君と君たち)に対してしかしないが、ドイツ語の命令は原形の語幹に you の単数用の語尾、 複数用の語尾を付ける。 英語では一律に原形を使う。

「神よ、 あなたを祝福せよ」 という三人称に対する命令は 「神があなたを祝福せんことを」 という要求話法となる。

英語ではこの場合に God bless you. と原形を使うが、こういった原形は一部の決まった少数の語句のみにしか使わない。Long live the Queen! The devil take it!

助動詞 mayを使った場合は倒置にして直説法との区別をする。

May the next year bring you happiness? (ジーニアス)
                         
[蛇足]

よく知られているように水道の水が飲めない国がある。そういった国の人たちが泊まったときのために、日本のホテルでは洗面所に「この水飲めます」と英語で書いてあることがある。

あるビジネスホテルで“This water be good to drink.”と印刷したステッカーが貼ってあるのを見てビックリしたことがある(本来ならば“good to drink”だけでいい)。

凄く洒落たリゾートホテルでも見たことがある。こういう国辱もの製品がホテル業界で日本中に販売されているらしい。

各種の新聞を取り揃えた新聞スタンドに“NEWSPAPER”と単数で書いてあったりもする。

日本では学校英語で育つとホテルの支配人とて英語感覚とは無縁なのだ。

こんなに偉そうなことを言う、この筆者自身も「アホの2乗」のまま機内アナウンスをしつつ国際線を飛ぶパーサーだったのだ。

長屋英語」で日本は滅ぶ。

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テーマ : 大学受験
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プロフィール

snack7

Author:snack7
関西の大手私立大学独文卒。JALスチュワードからパーサーとなるも7年で退職。元の独文の修士課程に戻り終了後短大のドイツ語非常勤講師などを経て、予備校英語講師となる。現在は在宅年金生活。1938年1月1日生まれ。

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